高齢化社会になって、将来年金も貰えないかもしれないのでは?となったいま、安楽死についての議論がたくさん出てくると思っていますが、なかなか出てきません。
確かに安楽死ってなかなか公では議論しにくいことですよね。
もし政府の人間やテレビ出演者が安楽死を肯定したら、「人が死んでも良いというのか!?」と言い出す人がたくさん出てくるからです。
肯定派はバッシングの的になるでしょうね。
でも安楽死があることによるメリットってあります。
そのメリットの最たるものは、安楽死があることによって「いつでも楽に死ねる」と思って安心して生きていけることです。
死を恐れるのって「死=苦しみ・恐怖・孤独」とマイナスイメージと結びついているからだと思うんです。
死を恐れながら生きるというのは、辛いことです。
でも安楽死が社会福祉の1つに組み込まれ、寝ている間に薬で楽に死ねるとなれば、死の恐怖から解放されると思いませんか?
少なくとも私はそう思います。
私は今は元気に生きていますが、これから年月を経て病気になって苦しんだりしてもう治らないとなれば、安楽死したいですね。
その時になってみないと実際にはわからないことではありますが、
現時点では将来病気で苦しむなら安楽死したいと思っていますし、
もし将来的に日本が安楽死OKになれば安心すると思います。
目次
安楽死とは
安楽死といっても実際には医師による自殺幇助になるので、いわゆる他殺としての扱いになるため現代の日本では認められていません。
世界でも大多数の国が安楽死を認めていませんが、できる国はどういったところなのか・どういった方法をとるのか・費用などをまとめてみました。
安楽死が出来る国
スイス - 1942年
アメリカ(オレゴン州) - 1994年「尊厳死法 (Death with Dignity Act)」成立
オランダ - 2001年「安楽死法」可決。
ベルギー - 2002年「安楽死法」可決。
ルクセンブルク - 2008年「安楽死法」可決。
アメリカ(ワシントン州、モンタナ州) - 2009年
アメリカ(バーモント州) - 2013年
アメリカ(ニューメキシコ州) - 2014年
アメリカ(カリフォルニア州) - 2015年
カナダ - 2016年
オーストラリア(ビクトリア州) - 2017年
大韓民国 - 2017年
1つの国でも安楽死ができるかは地区によりますので、国だけ抜粋すれば、スイス・アメリカ・オランダ・ベルギー・ルクセンブルク・カナダ・オーストラリア・韓国です。
8か国ですね。
少数派ではありますが、なんか先進国ばかりのような気が、、、(笑)
まぁそれだけ寿命が長いため安楽死の議論が出てきたんでしょうね。
後進国は安楽死の議論が生まれるまでもなく、そもそも寿命が短いですからね。
安楽死の方法
安楽死には積極的安楽死と消極的安楽死の2つの種類があります。
積極的安楽死は、致死性の薬物を投与しての死を言います。
消極的安楽死は、治療により回復が見込めるかもしれないのに患者の意思により治療しないことを言います。
私が安楽死と聞いてイメージしているのは、薬物投与により死に至る積極的安楽死の方です。
よって、今更ですがこの記事では積極的安楽死について語っています。
安楽死の費用
いろいろ調べてみると、外国人の安楽死が認められているのはスイスだけみたいですね。
旅費込みで相場は150万円から200万円くらいみたいです。
しかし外国ということもあり、死を早めたい理由を説明するためにドイツ語か英語を話せる必要があるようです。
まぁ、これについては予め理由を英文で作成していってそれを読んでもらうのはダメなの?と思うんですが。。。
安楽死についての議論
安楽死についての議論について思うことを書きます。
安楽死の議論が出てくる頃
高齢化社会をこのまま突き進んでいくと、必ず安楽死の議論が多くなってきます。
年金もどうなるかわからないし、介護してくれる人材は少子化で減少していくばかり。
差別するわけではありませんが、諸外国を見てみると、外国人労働者を入れると犯罪率が上昇しています。
そもそも介護は我慢強い日本人にさえキツイのに、多くの外国人労働者にキツイ介護ができるでしょうか?
外国人労働者に虐待される要介護者が増加するだけでしょう。
ネットや書籍を見てみると安楽死を肯定的に取り扱った文章を読むことができますが、
世間一般を巻き込むような議論にはなっていません。
橋田寿賀子さんや橘玲氏のように安楽死を肯定する著名人がもっと出てくることを望みます。
自殺が多いのは若者じゃない
いじめなどが原因で若い人が自殺をすると大々的にニュースになりますよね。
よって若い人の自殺が多いようなイメージを持ってしまいがちかもしれません。
しかしここ20数年の統計を見ると、実際にティーンや20代前半の自殺は少ないのです。
男性の場合、自殺率は20代半ばから40歳くらいまでほぼ横ばいで、
それから上昇しいったん50代半ばをピークに減少し、70代半ばから再び上昇します。
女性の場合、20年ほど前までは、70歳までほぼ横ばいでなだらかに上昇し、
70歳くらいから急増していましたが、年々70歳以降の自殺率は減少し、
最近では年齢と共になだらかに上昇していますがほぼ横ばいです。
自殺の原因の最たるものは健康問題(身体の病と精神疾患)です。
多くの男性の場合、20代前半から働き始めて50代半ばまで30年以上働いているわけですから、退職前に健康問題が表出するのでしょう。
退職して70歳半ばまで健康的に過ごしても、70歳半ばから健康問題が表出し、病苦による自殺が急増するのです。
近年全体的に自殺は減少傾向にありますが、この傾向はいまだに崩れないようです。
安楽死がOKになったら死者が増えるのではという見解に対して思うこと
オランダの統計によると2017年には15万27人の死亡者数のうち安楽死は6585人だったそうです。
死者数全体の4.4%が安楽死です。
安楽死を望んだ原因の中で一番多いのがガン(64%)でその他はうつ病や認知症などだそうです。
安楽死が社会的に肯定され福祉に組み込まれると、死者が増えるのではないかという議論が出てくると思いますが、個人的には特に増えないと思います。
安楽死を望むのは、重病患者がほとんどだからです。
自殺するはずだった人や確実に病死するはずだった人が安楽死に移行するかもしれませんが、全体の死者の数としては増えないんじゃないでしょうか。
別に強い根拠はないですけどね。
でも逆に安楽死がOKになると死者が増えるという根拠もあるのでしょうか、甚だ疑問です。
安楽死のメリット
自分なりに安楽死のメリットを挙げてみました。
苦しい自殺を減らせる
自殺って本人も周りもものすごく苦しいし怖いし辛いと思うんです。
私は霊魂があるともないとも言えないという立場ですが、もし霊魂があるなら自殺した霊魂は成仏できないか地獄に行きそうですよね。
そのくらい自殺ってやるせないものだと思うんです。
オランダ在住で「認知症の人が安楽死する国」の著者である後藤猛氏によると、
オランダの例では、安楽死を選択した場合、最後のお別れ会として食事会などをするそうです。
そこでは涙する人もいるみたいですが、悲壮感はないそうです。
自分で死を選ぶのに自殺とは真逆ですよね。
自殺のように人に迷惑がかからない
安楽死では薬を手渡す医師が必要なので、医師の手を煩わせているわけではありますが、自殺よりかは完全にましです。
自殺の場合は安楽死よりも迷惑や悲しみが桁違いです。
家族が悲しむ。
遺体の処理に手間と費用が掛かる。
家族や後処理をする人や目撃者にトラウマを植え付ける。
電車に飛び込めば多くの人に迷惑がかかる。
と迷惑だらけです。
ならばしかるべき時にしかるべき場所で安楽死を遂げた方が、
人にも迷惑がかからないと思いませんか。
苦しい闘病・寝たきりを続けなくて良くなる
私は病院のベッドで不自由になった体を横たえて、ひたすら死を待つ時間を過ごしたくありません。
無理な延命のために苦しんだり、痛みを覚えたりしたくありません。
認知症になって家族や介護職員さんに暴言や暴力を振るいたくありません。
人生の質を追求するための一部として、死の質も高める安楽死があるのであれば、私としては安心です。
安楽死は孤独じゃない
安楽死は必ず病院で行うので、確実に孤独ではありません。
病院は殺伐としているという意見もあるかもしれませんが、そこは今後安楽死が合法化しきちんとシステムとして国によって機能されれば何とでもなるでしょう。
葬儀場だって落ち着いた雰囲気を演出しているんですから、安楽死をする施設がリラックスした雰囲気を作ろうと思えば作れるんですから。
安楽死する前の段階でさえ、前述したように家族や友人と集まってお別れ会をするのですから、孤独ではありません。
医療費を減らせる
安楽死があれば国の医療費は大幅に削減できると思いますが、最も議論に出しにくい話題ではあります。
日本には寝たきりや助かる見込みのない重篤患者を無理やり不自然に延命させている現状がありますよね。
日本の医療費は年々増え、問題は深刻化しています。
自ら死を望んでいるのに死ねないケースがたくさんあります。
国や大手メディアが医療費を削減する方法として安楽死を挙げることがタブーとしているのであれば、こういった私みたいな個人が言っていくしかないのです。
安楽死が合法化すれば、国の財政は高額の医療費を削減できるのではないでしょうか。
最後に
死にはどうしても悪いイメージがつきまといますよね。
しかし人生の最後を安らかに楽に終えることができるかもしれないとわかっていれば、それによって安心して楽観的に生きていけると思いませんか?
私はそう思います。
国が経済や健康について自助努力を推奨するなら、自分の死も自分で選択できる世の中になってほしいものです。